Red Turtlehead
Chelone obliqua, Snapdragon Family (Scrophulariaceae)

一般名の通りに、亀の頭によく似た花の形が特徴的なゴマノハグサ科の花です。学名のCheloneもギリシャ語の亀(chelone)に由来します。ちなみにシソ科のジャコウソウ属の属名（Chelonopsis）も同様に亀に由来します。面白いことに、日本ではこのRed Turtleheadに似た仲間(Chelone lyoni)がジャコウソウモドキ（リオン）という名で観賞用に流通しているそうです。 まあ、言われて見れば確かに花や葉の形はジャコウソウに似ているようにも思えますね。 この花はメリーランド州内ではとても珍しい花ですが、ワシントンDC南西の海岸平野の湿地帯で見ることができます。この方面にはなかなか足が向かなかったのですが、こちらの花仲間のSatchanさんに教わって、Calvert郡のBattle Creek Cypress Swamp Sanctuaryでカメラに収めることができました。ここは"Cypress Swamp"と言われるように、湿地に背の高いイトスギがたくさん生えています。ビジターセンターの裏の湿地にぐるっと1周できる木道が敷設されていて、容易にこの花を見ることができました。また、湿地に生えるイトスギを見たのは初めてだったのですが、下の写真のように幹の周りに「イトスギの膝」と呼ばれる根（気根）が地上にいくつも直立しているのは興味深い光景でした。この気根は水に浸かった根の呼吸を助けるだけではなく、木が倒れないようにしっかりと安定化する効果があるそうです。 なお、花弁が白いWhite Turtleheadという仲間もいます。こちらはShenandoah国立公園内で見かけましたが、自宅から割と近くのSugarloaf Mountainにもあるようです。（2005年9月24日 Battle Creek Cypress Swamp Sanctuary にて撮影）