タシロラン （田代蘭）
Epipogium roseum　【ラン科トラキチラン属】

2019年7月20日　福島県浜通り地方にて撮影

本州～沖縄に分布し、常緑樹林下に生育する草丈20～50センチの菌従属栄養植物です。発見者の田代善太郎氏の名にちなんでこの名があります。 花茎は白黄色で、上部に多数の白色の花を総状につけます。苞葉、がく片、側花弁の長さはそれぞれ8ミリ程度、広卵形の唇弁もこれらと同長で、赤紫色の斑点と中央に2個の隆起があります。花期は5～７月。 関東地方以西に分布するとされていましたが、最近になって福島県で自生が確認されました。筆者が情報をいただいて訪れた自生地は、落ち葉がふかふかと積もった暗い車道脇です。地上に現れる期間は短いので、これまで見落とされていた可能性がありますが、クロヤツシロランと同様に、近年の温暖化により分布を北に広げているのかもしれません。

2019年7月20日　福島県浜通り地方にて撮影