ナガミノツルケマン （長実の蔓華鬘）
Corydalis raddeana　【ケシ科キケマン属】

2007年9月8日　福島県北塩原村にて撮影

本州から九州にかけて分布する、秋に咲くキケマンの仲間です。ナガミノツルキケマンとも呼ばれます。山地の林縁などに生え、草丈は50センチ〜1メートルほどになりますが、全体が軟弱でなよなよとしていて、周りの草に倒れ掛かるように生えます。 ツル（キ）ケマンとよく似ていますが、本種のさく果の種子は1列なのに対して、ツルケマンの種子は2列に並ぶのが大きな相違点です。花の色も異なり、本種は黄色ですが、ツルケマンの花は白っぽいクリーム色です。福島県内では、本種ナガミノツルケマンは県版のレッドデータブックで準絶滅危惧種に選定されているものの、県内で広く見られます。それに対して、ツルケマンはまれにしか見られず、絶滅危惧I類に選定されています。私たちは隣の栃木県で見ましたが、福島県内ではまだ見たことはありません。 なお、北海道の中部以東にはよく似たチドリケマン（C. kushiroensis）が分布します。近年までナガミノツルケマンとされていましたが、花の距が短くて上に反るという特徴があります。

花のアップ　2007年9月8日　福島県北塩原村にて撮影




果実　2007年9月8日　福島県北塩原村にて撮影