ヒメザゼンソウ （姫座禅草）
Symplocarpus nipponicus　【サトイモ科ザゼンソウ属】

2009年6月21日　福島県郡山市にて撮影

北海道と本州に分布し、低地〜山地の湿地に生えるザゼンソウの仲間です。ザゼンソウは早春に花を咲かせますが、このヒメザゼンソウは早春に葉を展開させるものの花は咲かず、葉が枯れ始める6月ごろに開花します。和名の通りに花（仏炎苞）はとても小さく、ザゼンソウは長さ20センチほどもあるのに対して、4センチほどしかありません。葉の高さは30〜50センチもありますので、花は余計に小さく見えます。果実は翌年の春に熟し、下の写真に写り込んでいますが、まるでパイナップルのようです。 福島県ではまれながらも全域に分布しているようです。私たちは自宅近くの自然公園で初めて見ることができました。ここでは自生しているザゼンソウは見たことがないのに、ザゼンソウによく似た葉を見つけて、これはヒメザゼンソウに違いないと思い、葉が枯れる頃に根元を探すと、予想通りに小さな仏炎苞が見られました。北海道にも分布するのですが、私たちは見たことがなかったので、こんな近くで見られてとても嬉しかったです。

花と果実（右上）　2008年6月22日　福島県郡山市にて撮影