Indian Pipe
Monotropa uniflora, Pyrola Family (Pyrolaceae)

日本の初夏に咲くギンリョウソウ（Monotropastrum humile）と秋に咲くギンリョウソウモドキ（別名アキノギンリョウソウ; Monotropa uniflora）は、その草姿と蝋のような色が印象的な菌従属栄養植物です。北米にもこれらの仲間が分布しています。その1つである本種の一般名は、草姿をアメリカ先住民がタバコを吸うために使う長いパイプ（ピース・パイプ）に例えたものです。6月頃から咲きだし、当地では見かける機会が多いです。その開花時期からして日本のギンリョウソウに類縁かと思われますが、実はギンリョウソウモドキの同一種とされているのです。 私たちも初めて目にしたときはギンリョウソウの仲間だと何の疑いもなく思っていました。ただ、何となくギンリョウソウとは少し違った雰囲気だなとは感じていました。そして、初めて花後の姿を見て驚きました。何と、終わった花が上を向いているのです。ギンリョウソウは横向きのまま果実ができるはず...。これはギンリョウソウモドキの特徴です。そしてよく調べると、本種はギンリョウソウモドキそのものであることを知った次第です。したがって、北米ではギンリョウソウモドキが夏に咲くということになります。日本での花期は8～9月なのですが、これほど開花時期が異なるのはどういうわけでしょうか。 なお、当地では同属のパインサップも見られますが、これは日本のシャクジョウソウと同じ種です 。（2005年6月11日 Scott's Run Nature Preseve にて撮影）