ワイルド・リリー・オブ・ザ・バレー（Wild Lily-of-the-valley）とも呼ばれる、日本のマイヅルソウ（M. dilatatum）にそっくりな花です。マイヅルソウとは葉の形が少し違っていて、本種の葉の方が細長く、また、基部があまり窄まっていません。花の造りやつき方に大きな違いはありません。キジカクシ科を含む従来ユリ科に分類されていた花は、普通がく片と花弁が3枚ずつ、雄しべが6本ありますが、この花は2個のがく片と2個の花弁、4本の雄しべから成り、また雌しべの柱頭が2裂する変わり者です。果実の色が緑～斑～赤と季節を追って変っていくのもマイヅルソウと共通しています。

当地ではあまり見られない北方系の花で、シェナンドー国立公園やフレデリック市有林などでまれに見られるだけです。北米にはこの種を含めて5種のマイヅルソウ属の花が知られていて、日本のマイヅルソウと同じ種も北西部に分布しています。 （上： 2005年5月29日 Shenandoah National Park、下： 2005年5月22日 Catoctin Mountain にて撮影）