オノエラン （尾上蘭）
Leucorchis fauriei　【ラン科オノエラン属】

2007年6月24日　福島県二本松市にて撮影

本州の中部～北部と紀伊半島の亜高山帯に分布し、日当りの良い岩石まじりの草地に生える美しいランの花です。和名は文字通りに「尾根の上に生えるラン」の意味です。一応、オノエラン属に分類しておきましたが、属を大きく扱うときにはハクサンチドリやカモメラン、ニョホウチドリ、ウチョウランなどが含まれるハクサンチドリ属（Orchis）に分類されます。このような高山で見られるランはピンク色の花が多く、このオノエランの真っ白い花は新鮮に映ります。草丈は10～15センチほどで、花茎の上部に2～6個の花をつけます。唇弁にある黄色いW字型の模様が特徴的で、唇弁の先はわずかに3裂しています。基部に2枚つく光沢のある長卵形の葉も印象的です。 福島県内では、中通りの安達太良山や那須連峰の三本槍岳周辺、南会津の田代山、尾瀬などで見られます。特に、安達太良山ではその可憐な白い花をたくさん見ることができて感激します。吾妻連峰にも分布しますが、きわめて稀にしか見られないようです。

2007年6月24日　福島県二本松市にて撮影




2014年6月21日　山形県米沢市にて撮影




2010年6月26日　栃木県にて撮影




2012年6月30日　栃木県にて撮影




花のアップ　2008年6月21日　福島県二本松市にて撮影