ミヤマダイコンソウ （深山大根草）
Geum calthifolium var. nipponicum　【バラ科ダイコンソウ属】

2013年6月22日　福島県下郷町にて撮影

北海道と本州（近畿以北）、四国（石鎚山）に分布し、高山の礫地や草地に生える多年草。稜線の風当たりの強い岩場にも生える高山植物です。草丈は10〜30センチ、全体に黄褐色の剛毛が多いです。根出葉は単葉のように見えますが、奇数羽状複葉です。頂小葉は大きな腎心形で径7〜12センチ、2〜4対つく側小葉は鱗片状でごく小さく、長さ2〜6ミリです。茎葉は径1〜3.5センチのほぼ円形で欠刻状の鋸歯があり、柄はなく茎を抱きます。花は長い花茎の先に数個つき、黄色の5弁花で、径2〜2.5センチ。がく片の間に線形の副がく片があります。 福島県では会津地方の高山や飯豊山などでごくまれに見られるだけです。県版RDBでは現状不明で未評価の扱いになっていますが、私たちは那須の山で見ることができました。その生育地の環境は、まさに図鑑に書かれてある通りの風の強い岩石地。よくぞこういう場所を好んで生えるものだと感心します。

2013年6月22日　福島県下郷町にて撮影